抵当権の消滅原因として
※第三取得者の地位の保護のために抵当権が消滅する場合
1.代価弁済(民法378条)
抵当権設定登記後に、抵当不動産を取得した者は、債務者が弁済しなければ抵当権実行により、所有権を失うので、これを保護するための規定で、「抵当不動産の所有権又は地上権を買い受けた第三取得者が、抵当権者の請求により、この代価を抵当権者に弁済することにより、第三取得者のために抵当権を消滅させることができる」ものです。抵当権者が主導権を握ります。

その要件は、所有権又は地上権であることと、抵当権者の請求に応じて、代価(抵当権者の提示する金額)を弁済することです。

その効果は、
①第三取得者が所有権の買受人である場合は、抵当権は絶対的に消滅しますが、地上権の買受人である場合には、抵当権は消滅せず、地上権が抵当権に対抗できるというだけになります。

②抵当権者の提示する金額を支払うだけですから、その範囲において債務は消滅しますが、残額があれば抵当権者は無担保債権として債務者に残額を請求できます。(債権が1,000万円として、代価弁済額が700万円であった場合、残額300万円については債務者に請求できます)
なお、民法474条の第三者の弁済は債務全額の弁済であるので、その支払金額が異なります。

2.抵当権消滅請求(民法379条及び383条)
抵当不動産の第三取得者は、第383条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができるとされ、第三取得者が主導権を握ります。
①取得の原因及び年月日、譲渡人及び取得者の氏名及び住所並びに抵当不動産の性質、所在及び代価その他取得者の負担を記載した書面を送付します。

②抵当不動産の登記事項証明書も送付します。

③債権者が2ヶ月以内に抵当権を実行して競売の申立をしないときは、抵当不動産の第三取得者が第1号に規定する代価又は特に指定した金額を債権の順位に従って弁済し又は供託すべき旨を記載した書面を送付します。

その結果は、
①債権者が2ヶ月以内に競売の申立をせず又は競売の申立を取り下げ、若しくは競売申立を却下する決定及び競売申立を取り消す旨の決定がされたときは消滅請求に承諾したものとみなされます。(民法384条)

②登記をしたすべての債権者が第三取得者の提供した代価又は金額を承諾し、第三取得者がその代価又は金額を支払うか供託したときは抵当権は消滅します。(民法386条)

※抵当権特有の消滅原因として
1.債務者及び抵当権設定者との関係では被担保債権の消滅時効で消滅します。但し、抵当不動産の第三取得者や後順位抵当権者との関係では、被担保債権が消滅時効にかからなくても、抵当権自体の消滅時効もあり得ます。(民法396条)

2.抵当目的物が、債務者又は抵当権設定者以外の者に時効取得されたときは抵当権は消滅します。(民法397条)
※「原因」は、弁済・免除・放棄・解除・混同・抵当権消滅・代物弁済・時効消滅・所有権の時効取得等がありますが、「登記原因証明情報」の記載と一致していることを要します。

通常の抵当権抹消登記の書式例はこちらです。

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