遺留分減殺請求について
1.遺留分とは、直系尊属及び子・配偶者のために必ず残しておかなければならない相続財産の一定割合のことです。但し、民法第1028条により兄弟姉妹には遺留分は認められません。
遺留分の額は、相続人が直系尊属のみの場合には相続財産の1/3を、その他の相続人の場合には、相続財産の1/2が遺留分となります。
その遺留分の額を、相続人が数人いる場合には法定相続分で分け合うことになります。
相続分は下記のようになります。
①子1人のみが相続人の場合は、1/2(遺留分の額全部)。

②子2人の場合は、1/2(遺留分)X1/2(法定相続分)=1/4。

③直系尊属1人の場合は、1/3(遺留分の額全部)。

④直系尊属2人の場合(父母が生存の場合)は、1/3(遺留分)X1/2(法定相続分)=1/6。

2.遺贈又は贈与の登記前に遺留分減殺請求がされた場合には、遺贈又は贈与の登記をすること無く、遺留分権利者が相続登記をすることができます。

3.遺贈又は贈与の登記後に遺留分減殺請求がされた場合には、減殺請求をした相続人を登記権利者、減殺請求を受けた者を登記義務者として、共同申請で登記申請をします。

4.遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。
ただし、遺留分に関する規定に違反することができない。(民法第964条)
※「遺留分に関する規定に違反することができない」というのは、遺留分を侵害する被相続人の財産処分(遺贈・贈与)が当然に無効とされるのではなく、それ自体は有効であり、遺留分権利者が遺留分を保全する限度まで、遺贈・贈与の効力を消滅させることができるという意味です。

※遺留分を侵害する遺言であっても(例えば全財産を特定の相続人に相続させる旨の遺言)、遺言書と相続証明書を添付すれば全財産の相続登記は受理してくれます。

※後に遺留分減殺請求があれば、その分を返還することになります。

5.兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。(民法第1028条)
(1) 直系尊属のみが相続人である場合、被相続人の財産の3分の1

(2) 前号に掲げる場合以外の場合、被相続人の財産の2分の1
※相続人であることが前提ですから、上記の者であっても、相続欠格事由に該当する者・相続人廃除の審判を受けた者・相続放棄をした者は含まれません。(相続欠格事由に該当する者・相続人廃除の審判を受けた者の場合には、代襲相続人又は次順位相続人が遺留分権利者になります)

※包括受遺者(「遺産の何分の1を与える」 というように、 遺産の全部またはその分数的割合を指定された者)は相続人と同一の権利義務を有する者ですが、相続人ではないので遺留分はありません。

6.贈与は、相続開始前の一年間にしたものに限り、前条の規定によりその価額を算入する。
当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、1年より前にしたものについても同様とする。(民法第1030条)
※「損害を加えることを知って」とは、損害を加える認識で足り、遺留分権利者を害する目的や意思を必要としません。

※相続人が被相続人から婚姻・養子縁組のため又は生計の資本として受けた贈与は、贈与の時期に関わりなく、相続開始の1年以上前のものであっても全てその価格を加算します。

遺贈又は贈与の登記後の遺留分減殺請求の登記申請書はこちらです。

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